生活習慣病の指導で大切になるポイント

看護師が患者さんの病気を予防するためにできることは、予防医療の徹底です。生活習慣病の代表格と言えば肥満や糖尿病、高血圧などがありますが、これらを放置しておくと重大な病気のリスクを高めます。まだ軽度な状態で予防対策をしておけば、脳卒中や心筋梗塞といった命を落とす可能性のある症状を回避できるわけです。生活習慣病はかつて成人病と言われていましたが、若くても発症する可能性がありますし、生活習慣が大きく関連することから呼び名が変わりました。また、生活習慣病の患者数を見ると男性のほうが多く、これは喫煙率が高いことに関係していると言われています。

看護師ができる指導は、患者さんの健康数値が悪化しないようにすることです。肥満度や血糖値、血圧などは数値化されますので、正常な範囲を超えているようなら生活習慣の改善指導を行います。大切なのは患者さんに対して命令するのではなく、生活習慣病のリスクを知ったうえで対策してもらうことです。どのような病気にも言えますが、自分自身が自覚して対策を試みないと治療は難しいでしょう。

肥満はさまざまな病気を招きますが、一方で痩せすぎも大きな問題があります。女性には痩せたほうが綺麗と認識している方が少なくありませんが、過剰に痩せると筋肉量が減少してしまい、正常に脂肪や糖質の燃焼ができなくなるのです。不健康な生活を続けると体型や体重に表れてくることが多いので、患者さんの身体をチェックして適切な指導を行うのも看護師の役割です。近年は予防医療が注目されており、予防には苦痛を伴いにくく、また治療費を抑えられるというメリットがあります。